——「大曲の花火」での内閣総理大臣賞受賞おめでとうございます。受賞の感想は？

昨年は全ての部門で入賞しましたが，突出した成果がなく，悔しい思いをしました。
今年の芯入割物では，先代が生み出した四重芯でまだ賞をもらっていなかったので，あえて四重芯でいこうと決心し，大会に臨みました。
自由玉では，流行りの時差式には乗らず，一発で情景を表したいという意図がありました。色や組み合わせに改良を加え，きれいな色になったと思っています。

——「土浦の花火」に向けての意気込みをお聞かせください。

色の見せ方や形をきれいに出したいと思います。
１０号玉でいうと，丸い花火はきれいに見えます。さらにもっと上の丸さを極めると，丸を通り越して球に見える。本当に丸い花火を目指したいです。
スターマインでは，「上州」で花火をやっているのはうちだけという自負を持って，群馬からの新しい発想の風を吹かせたいと思います。そよ風になってしまうかもしれませんが（笑）

——「花火師」として，今後はどのような姿を目指したいですか？

花火を使って世界観を表現したいです。一発しか上がらないけど見たいと思ってもらえる，一瞬の美しさを感じてもらえるような。
お客さんによって見方は違うと思いますが，自分の花火を見て，自分の表したい世界を理解してもらえたとき，達成感を感じます。
写真で花火を見て来てくれた人が，生で見たほうがすごいと思ってくれるような花火をあげたいですね。

最後に，小幡さんの意気込みを色紙にしたためていただきました。

書いていただいた言葉は「信念」。

伝統技術の粋を集めた花火「菊」を屋号に持つ小幡さんのお話からは，花火の伝統を継承しつつ，新しいアイデアを生み出しながら，一途に花火師としての道を究めようという心意気を感じました。