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花火の基礎知識

花火の基礎知識

花火の構造や種類を知って、花火をもっと楽しみましょう♪

花火玉の構造

花火玉の中には、「星(ほし)」と呼ばれる火や煙を出しながら燃える火薬の粒と「割薬(わりやく)」と呼ばれる星を飛ばすための火薬の粒が詰められています。 花火玉が上空で開いた時、中に詰めた星は花火の輪になります。そのため、星が二重に詰められていると二重の輪、三重に詰められていると三重の輪の花火になります。

『花火玉の構造(大)』の画像

花火玉の大きさと打ち上げの高さ

花火玉はその大きさによって4号、5号など「号数」で呼ばれています。大きい花火は「尺」(一尺=10号)という単位でよぶこともあります。花火玉が大きくなればなるほど、上空で開いた時の直径も大きくなり、例えば土浦全国花火競技大会の一部門をなしている10号玉は、上空で開いた時の直径が約300mにもなり、打ち上げる高さは330mに到達します。玉が大きければ大きいほど、より広い打ち上げ場所が必要となり、またより高く打ち上げる必要があるのです。

『大きさと高さ』の画像

花火の種類と名前

打上花火には、花火玉の作りや仕掛けによって「割物」と「ポカ物」の2種類があります。 「割物」は花火玉が破裂した時に星が球状に飛び散る花火です。割物には大きな花火玉の中に小さな花火玉をいくつも詰めて玉が割れた時に小さな花火がたくさん開く「小割物」もあります。 「ポカ物」は花火玉が上空で二つに割れ、中に詰めた星が落ちていく花火です。

花火玉には「玉名(ぎょくめい)」という名前が付けられており、形・色・変化などの内容を表しています。玉名は大きく2種類に分けられ、花火玉が打ち上げられて上昇し、開いてから変化していく様子を表しているものと、花火を打ち上げた時のイメージから付けられたものがあります。 【花火の種類】

『菊』の画像 菊(きく)【割物】
花火の伝統技術の粋を集めた花火で、スーッと星が尾を引きながら放射状に飛び散って、菊花の紋を描き出します。花びらの先の色が変化する場合は「変化菊」と呼びます。
『牡丹』の画像 牡丹(ぼたん)【割物】
菊と同様に丸く開きますが、尾を引かず光の点を描きながら牡丹のような花を咲かせます。迫力の点では菊に及びませんが、すっきりとした繊細な美しさがあり、菊より光が鮮やかに出ます。なかでも、マグネシウムなどを使った明るい星を「ダリア」と呼びます。
『万華鏡』の画像 万華鏡(まんげきょう)【割物】
星を一握りずつ包んだものを分散させて玉に詰めた花火です。包んだ星が開くと同じ色の花弁がまとまって開き、色の光となって万華鏡を覗いたように見えます。
『冠』の画像 冠(かむろ)【割物】
開いた星が流れ落ち、地面すれすれで消える花火です。おかっぱ頭(禿)に似ていることからこの名前が付きました。
『柳』の画像 柳(やなぎ)【ポカ物】
花火玉が割れると上空から柳の枝が垂れ下がるように光が落ちてくる花火です。最近では彩色柳など様々な色の柳があり、落ちてくる時に色が変化するものもあります。
『蜂』の画像 蜂(はち)【ポカ物】
花火玉が割れた時に、火薬を詰めた星がシュルシュルと回転しながら不規則に飛び回る花火です。その動きはまるで蜂が飛び回っているように見えます。
『千輪』の画像 千輪(せんりん)【小割物】
花火玉が上空で割れた時に、中に詰めた小玉が一瞬遅れて一斉に開く花火です。いくつもの小さな光の花が開きます。
『型物』の画像 型物(かたもの)【割物】
光の点や線でハートや笑顔、蝶、土星など様々な形を描く花火です。型物は球状ではなく平面の花火なので開いた時の向きによっては「線」にしか見えず、形に見えにくいことがあります。

良い花火の条件

『玉の座り』の画像 玉の座り(たまのすわり)
花火は打ち上げられた玉が最高点で開くものが理想とされています。玉が上昇から下降に変わる瞬間に開くと、星が上下方向の力に流されることなく丸く開きます。これを「玉の座りが良い」と言います。玉が上がっている途中で開くと扇型に、落ちながら開くと星が流れ、きれいな球状になりません。
『盆』の画像 盆(ぼん)
花火が開き、星が飛び散って作る形を「盆」といい、大きく真円(球)であることが最高とされ、「盆が良い」と言います。開いた形が楕円であったり、いびつな形に見えたり、玉の大きさ相当の広がりがないものは良くありません。
『肩』の画像 肩(かた)
星が放射状に真っ直ぐ飛ぶものが最高とされ、「肩のはりが良い」といいます。星が先でフラフラ泳いだり、予定外の所へ飛んだり、点火されずにその星のあるべき所から抜ける「抜け星」があってまばらになったりするものは良くありません。
『消え口』の画像 消え口(きえくち)
花火は全ての星が同時に変化して色を変え、同時に燃え尽きるものが理想です。星の燃え尽きる時を「消え口」と言い、放射状に飛んだ無数の星が一斉にパッと消えることで花火が引き締まり、より美しい印象を与えます。これを「消え口が揃う」と言います。