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10号玉の“通”な見方
10号玉は、30cmの花火玉を上空約330mまで打ち揚げ、直径300mの大輪の花を咲かせます。打ち揚げられた玉が最高点で開き、大きくて美しい真円を描いたあと一斉に消えるのが良い玉の条件です。
近年は、光や煙を出す“星”と呼ばれる火薬の粒と玉を上空で破裂させて星を飛ばす“割薬”と呼ばれる火薬の粒を、玉の中に幾重にも詰める多重芯が出品の中心になっています。その中でも最高難度とされる五重芯では、30cmの玉の中に一番外側の親星も含めて6層ずつの星と割薬が込められていますが、300mもの大きさに開花するため、星を詰める過程で1mmずれると上空では1mもずれてしまいます。5層の芯星を真円で開花させ、境目をはっきりと見せたうえで、親星も真円で開花させるためには、究極の技術が求められます。部品の星作りも重要ですが、星の玉込め作業においては相当な集中力を要します。
一瞬で消えてしまう花火ですが、競技玉を作るまでには大変な時間と労力が費やされています。